ローカパーラの考え方

保土ケ谷で働く人の身体に、笑顔の余白を

保土ケ谷で働く人の身体に、笑顔の余白を| ローカパーラの都市計画
保土ケ谷を、凛と立つ人の街へ。

丁寧に接客したい。
笑顔でお客さんを迎えたい。
気持ちよくお店を利用してもらいたい。

そう思っていても、身体がついてこないことがあります。

長い時間立ち続けていると、足がだるくなる。
腰が重くなる。
肩や首がこってくる。
夕方になると、姿勢を保つだけでも疲れてくる。

それでも、お客さんの前では笑顔でいる。

接客業や立ち仕事をしている方は、そんなことを日々、当たり前のように続けています。

でも、本来、笑顔は気合いだけで作り続けるものではありません。

身体に余裕があるから、自然に笑える。
呼吸に余裕があるから、声が柔らかくなる。
立ち方が安定しているから、人と向き合う余裕が生まれる。

ローカパーラは、ここに目を向けてみたいと思いました。

保土ケ谷で働く人の身体に、笑顔の余白をつくる。
立ちっぱなしでも疲れにくく、無理に背すじを伸ばさなくても、自然に凛と立てる身体をつくる。

その人の身体が楽になる。
表情に余裕が生まれる。
お店の空気が明るくなる。
そして、その空気が街へ広がっていく。

大きな建物を建てるわけではありません。
道路を変えるわけでもありません。

街で働く人の身体から、街の空気を整えてみる。

ローカパーラの都市計画。

これは、そんな思考実験です。

街をつくるのは、おしゃれな建物だけではない

ここ数年で、星川駅から天王町駅の間の景色は大きく変わりました。

線路の下を活用した星天qlayが生まれ、カフェや飲食店、ショップ、住まいや交流の場が並ぶようになりました。

大きな箱ものを新しく建てるのではなく、もともとあった高架下の空間を活かして、街の動線と雰囲気を変えていく。

個人的には、とてもコストパフォーマンスの高い街づくりだと感じています。

しかも、星天qlayは街づくりの取り組みとして評価も受けています。

つまり、街は大きな建物を建てなくても変わる。

すでにある空間の使い方を変えることで、人の流れが変わり、立ち寄る場所が生まれ、街の印象は変わっていきます。

これは、とても面白いことです。

そしてローカパーラは、そこからさらにクリエイティブなことを考えました。

街は、大きな工事だけで変わるわけではない。
人の立ち方ひとつでも、空気は変わるのではないか。

空間の使い方で街の雰囲気が変わるなら、そこに立つ人の身体の使い方でも、街の空気は変わるはずです。

素敵なお店に入ったとき、印象に残るのは内装だけではありませんよね?

そこにいる店員さんの立ち姿。
声のかけ方。
身体の向き。
表情の柔らかさ。
動きの落ち着き。

そういうものが、お店の印象をつくります。

どれだけ内装がきれいでも、そこで働いている人が疲れ切っていたら、お店の空気は重くなります。

反対に、広さや設備が特別ではなくても、そこに立つ人の身体に余裕があり、自然な笑顔があると、お店の空気は明るくなります。

街の印象は、そういう空気の積み重ねでできていくものではないでしょうか?

たとえば、朝に立ち寄ったお店で、店員さんの声が明るい。
商品を渡す手つきに余裕がある。
身体の向きがこちらに向いている。
無理に作った笑顔ではなく、自然に表情が柔らかい。

それだけで、その日の気分は変わります。

反対に、店員さんが疲れ切っていると、こちらが何か悪いことをしたわけではなくても、申し訳ない気持ちになることがあります。

これは、接客の技術だけの話ではありません。
身体の状態の話でもあります。

身体がつらいと、表情は硬くなります。
呼吸が浅くなると、声にも余裕がなくなります。
腰や足が重いと、動きも小さくなります。

街の空気は、そこで働く人の身体の状態とつながっています。

だから、ローカパーラは考えました。

保土ケ谷で働く人の身体が楽になることは、その人自身のためだけでは終わらない。
お店の空気にも、街の雰囲気にもつながっていく。

大きな建物を建てるわけではありません。
道路を変えるわけでもありません。

街で働く人の身体が整うことで、街の空気は変わる。

これは、ローカパーラの都市計画という思考実験です。

立ちっぱなしで働く人の身体に起きていること

接客業や販売、カフェ、受付、サービス業の仕事は、見た目以上に身体を使います。

ただ立っているだけではありません。

立ち続ける。
歩く。
振り返る。
かがむ。
運ぶ。
手を伸ばす。
お客さんに身体を向ける。
笑顔で対応する。

これを何時間も続けています。

夕方になると、腰が重くなる。
足がだるくなる。
肩や首がこる。
背中が張る。
立っているだけで疲れる。

それでも、お客さんの前では笑顔でいる必要があります。

この状態を、気合いや根性だけで乗り切るのは無理があります。

身体が疲れていれば、姿勢は崩れます。
呼吸も浅くなります。
表情にも余裕がなくなります。

店員さん本人が悪いわけではありません。

身体に余裕がない状態で、笑顔だけを作り続けることが難しいのです。

ローカパーラで身体を診ていると、立ち仕事の方には共通した負担が見られることがあります。

足にしっかり体重を乗せられず、腰で身体を支えている。
膝や股関節をうまく使えず、背中や肩で姿勢を保っている。
足首が安定せず、首や肩に余計な力が入り続けている。
疲れてくると、身体の片側だけに体重をかけて立っている。

こうした状態では、立っているだけでも身体は消耗します。

そして、その消耗は表情にも出ます。

だから、立ち仕事の疲れを考えるときには、腰だけ、足だけ、肩だけを見るのではなく、身体全体の使い方を見る必要があります。

どう立っているのか。
どこで身体を支えているのか。
どこに余計な力が入っているのか。
どこが働かず、どこが頑張りすぎているのか。

そこを見直すことで、立ちっぱなしの身体は変わります。

笑顔は、気合いだけでは続かない

接客の笑顔は、とても大切です。

けれど、笑顔は気合いだけで作り続けるものではありません。

身体に余裕があるから、自然に笑える。
呼吸に余裕があるから、声に柔らかさが出る。
立ち方が安定しているから、人と向き合う余裕が生まれる。

身体が疲れ切っていると、笑顔はどうしても作り物になります。

無理に笑う。
頑張って明るく振る舞う。
疲れを隠して接客する。

それは、とても消耗します。

接客業の方は、日々それを当たり前のようにやっています。
でも本来、それは当たり前ではありません。

身体がつらいのに、笑顔でい続ける。
足がだるいのに、明るく対応する。
腰が重いのに、姿勢を保つ。

それを続けていれば、身体だけでなく、心の余裕も削られていきます。

ローカパーラがつくりたいのは、無理に背すじを伸ばして、無理に笑う姿勢ではありません。

立ちっぱなしでも疲れにくい。
腰や肩に余計な力が入らない。
呼吸が入りやすい。
自然に視線が上がる。
その余裕の中から、笑顔が出てくる。

そういう身体です。

笑顔の余白とは、精神論ではありません。

身体が楽になることで生まれる、表情の余裕です。
呼吸が入ることで生まれる、声の余裕です。
立ち方が安定することで生まれる、人と向き合う余裕です。

笑顔は、気合いだけでは続きません。

だからこそ、身体から支える意味があります。

凛と立つとは、背すじを伸ばすことではない

「姿勢を良くする」と聞くと、多くの方は背すじを伸ばすことを思い浮かべます。

胸を張る。
肩を後ろに引く。
顎を引く。
まっすぐ立つ。

たしかに、それで一時的には姿勢が良く見えることもあります。

でも、無理に作った姿勢は長く続きません。

肩に力が入る。
腰が反る。
首が詰まる。
呼吸が浅くなる。
結果として、疲れやすい姿勢になります。

ローカパーラが考える凛とした姿勢は、そういうものではありません。

凛と立つとは、身体の内側から無理なく立てている状態です。

足でしっかり床を受ける。
骨盤と体幹で身体を支える。
肩や首に余計な力が入らない。
呼吸が入り、視線が自然に上がる。

その結果として、立ち姿が美しく見える。

つまり、凛とした姿勢は、見た目を作ることではありません。
身体の使い方が整った結果として、外側に表れるものです。

これは、接客業の方にとっても大切です。

お客さんの前に立つ。
商品を手渡す。
説明をする。
案内をする。
少し身体を向ける。

そのすべてに、立ち方は関係しています。

身体の軸が崩れていれば、肩や首に力が入ります。
腰で支えていれば、長時間の接客で疲れます。
足元が不安定であれば、上半身で姿勢を固めることになります。

凛と立つとは、頑張って姿勢を良く見せることではありません。

余計な力を抜きながら、必要なところで身体を支えられること。
疲れにくく、人と向き合える身体でいること。

その姿が、結果として凛として見えるのです。

店員さんの身体が楽になると、お店の空気が変わる

店員さんの身体が楽になると、何が変わるのでしょうか。

まず、本人の疲れ方が変わります。

立っているだけで腰が重い。
夕方には足がだるい。
肩や首が張ってくる。
そうした負担が減れば、仕事中の余裕が変わります。

次に、表情が変わります。

身体がつらいと、表情は硬くなります。
逆に、身体に余裕があると、表情は自然に柔らかくなります。

そして、お店の空気が変わります。

無理に作った笑顔ではなく、余裕の中から出る笑顔。
急いで動くのではなく、落ち着いて動ける身体。
疲れを隠す接客ではなく、自然に人と向き合える状態。

それは、お客さんにも伝わります。

お店に入ったときの空気。
商品を受け取るときの印象。
「また来たい」と思う感覚。

そういうものは、店員さんの身体の余裕ともつながっています。

もちろん、身体を整えればすべてが解決するわけではありません。

仕事の忙しさ、職場環境、人間関係、働く時間。
接客業には、身体以外の大変さもたくさんあります。

それでも、身体から変えられることはあります。

立ち方が変わる。
疲れ方が変わる。
呼吸が変わる。
表情が変わる。
人と向き合う余裕が戻る。

その変化が、仕事の時間を楽にする。

そして、その人が立つお店の空気を明るくする。

ローカパーラは、そこに価値があると考えています。

保土ケ谷を、凛と立つ人の街へ

保土ケ谷は、坂道と階段の多い街です。

暮らしている人も、働いている人も、日常の中でよく身体を使っています。

駅まで歩く。
坂道を上る。
階段を下りる。
買い物をする。
お店で働く。
人を迎える。

この街では、身体の使い方が生活に直結しています。

だからこそ、保土ケ谷には、身体の使い方を見直す意味があります。

ただ痛くなった場所を何とかするだけではなく、日常の立ち方、歩き方、働き方を見直す。
その人の身体が楽になる。
表情に余裕が出る。
お店の空気が変わる。
街の雰囲気が明るくなる。

大げさに聞こえるかもしれません。

でも、街とは本来、そういう積み重ねでできているはずです。

ただ、この街で働く人が、もう少し楽に立てるようにしたい。
無理に笑顔を作らなくても、自然に笑える身体の余白をつくりたい。
その先に、凛とした街の空気が生まれたら面白い。

保土ケ谷で働く人の身体に、笑顔の余白を。
保土ケ谷を、凛と立つ人の街へ。

そんなことを、本気で考えています。

はじめの一歩

この取り組みは、派手に打ち上げるものではなく、静かに着実に育てていくものです。

まずは身近なところから、始めていきます。

対象になるのは、保土ケ谷・星川・天王町周辺で働く、接客業や立ち仕事の方です。

カフェの店員さん。
販売スタッフの方。
受付の方。
サービス業の方。
長時間立つ仕事をしている方。

立っていると腰が重くなる。
足がだるくなる。
肩や首が疲れる。
夕方になると姿勢が崩れる。
笑顔で接客したいけれど、身体がしんどい。

そういう方の立ち方と身体の使い方を、ローカパーラで確認してみたいと考えています。

内容は難しいものではありません。

立ち姿を確認する。
重心の置き方を見る。
腰や肩に負担がかかる立ち方になっていないか確認する。
疲れにくい立ち方を一緒に練習する。
必要に応じて、身体の状態を整える。

目的は、きれいに見せるためだけの姿勢づくりではありません。

立ちっぱなしでも疲れにくく、自然に凛と立てる身体をつくること。

その結果として、表情に余裕が生まれ、自然な笑顔につながること。

まずは、一人から。
ひとつのお店から。
この街で働く人の身体を、実際に見ていきたいと思っています。

あとがき|そういう街に、私はしてみたい

「ローカパーラの都市計画」と言うと、少し大げさに聞こえるかもしれません。

でも、これは冗談だけで言っているわけではありません。

街の雰囲気は、建物や道路だけで決まるものではありません。
そこで働く人、暮らす人、歩く人、迎える人の身体によっても変わります。

身体が疲れ切っていれば、街も疲れて見える。
身体に余裕があれば、街の空気も明るくなる。

だから、ローカパーラは身体から街を見てみたいのです。

痛みのある場所だけを見るのではなく、
立ち方、歩き方、働き方、笑顔、余白。
そういう日常の身体から、街の空気を整えてみたい。

保土ケ谷で働く人の身体に、笑顔の余白を。
保土ケ谷を、凛と立つ人の街へ。

そういう街に、私はしてみたい。