千身一夜物語
- 美しくズレてる症例集 - 
あなたの美談の裏に揉み消された(笑)、身体の物語。
※この症例は、実際の臨床経験に基づき、個人情報の保護と読みやすさのために一部構成や表現を調整しています。
casereport.6131:腰痛 首の痛み 女性 31代 介護士 横浜市保土ヶ谷区在住

支えるために、崩れていた。

30代 女性 介護士 在住
人を支えるその手は、優しかった。 でも、本当は支えきれていなかったのは、 自分の足首だったのかもしれない。 それは、もうずっと昔にやったはずの捻挫から始まっていた——

「介護 腰が痛い」「首がつらい」「片側だけつらい」「足首捻挫 腰痛」「支えると痛む」などで検索しているあなたへ。 足元のズレが、全身に響く構造に気づいたとき、 不調は“回復の道筋”に変わります。


私、なにかしましたっけ?

介護士という仕事柄、 利用者さんの身体を支えることには慣れています。 左足で踏ん張って、右手で身体を引き寄せる。 日々の中で自然に身についた技術です。 そういう力仕事を「できて当たり前」にこなす自分に、 ちょっとした誇りすら持っていました。 腰や膝が痛むのも、 「まあ、この仕事をしてる人はみんなそうだよね」って。 だから特別なケアなんて、したことなかったんです。

でも、不調なんです…

ふと気づいたら、左足首がグラグラするような感じがして。 そこから、左膝、左腰に痛みが広がり、 最近では首まで違和感が出てきました。 たしかに昔、足首をひどくひねったことがありました。 でも、あれはとっくに治ったはずだと思ってたし、 まさかそこが、今の身体の不調の“出発点”だったなんて—— 「人を支える自分」が当たり前になっていたぶん、 「自分が崩れていたこと」に、まるで気づけていなかったんです。


身体が語っていた、もう一つの物語

原因は、過去の左足首の内反捻挫。 しっかりと治しきれていなかったそのズレが、 立つたび、支えるたびに、足元から身体全体へと“揺れ”を伝えていたのです。 足首が不安定なぶん、膝と太もも、腰が無意識に力んで支える。 そしてその緊張が、背骨を通じて最終的に首にまで届いていた—— “支える側”が、静かに壊れていく連鎖でした。

美しく、スマートに読み解く。

施術ではまず、足首〜下腿の安定性を確認し、 骨盤と脊柱のバランスを再調整。 足首を補強しながら、無意識の“踏ん張り”を減らすことで、 腰や首への余計な緊張がスッと抜けていきました。 現在は、サポーターとともに仕事を継続中。 再発防止のために、足元からのケアを習慣づけています。

もっと詳しく(検査・施術の詳細)

患者情報:
30代 女性 介護士 在住

来院理由:
左足首→ひざ→腰(左側)で痛み出した。今は首も痛くなってきている。

主訴:
・腰痛
・首の痛み

症状:
・過去に左足首の内反捻挫の既往あり

通院期間/回数:
1回 その後は問題が起きたときに来院

原因:
左足首に内反捻挫の既往があり、介護で利用者を抱きかかえる等の力仕事をすると足元がぐらつき、下腿、大腿、腰の筋肉が過剰に力んでしまう。

予防・セルフケア:
・左足首にテーピングorサポーターをして仕事する。

バキッと鳴るのは、あなたの思い込み。

「腰が痛いのは仕事のせい」 「首が痛いのは歳のせい」 ——そう思い込んでいたあなたへ。 原因は、かつての小さな捻挫かもしれません。 ズレは、時間をかけて“じわじわと全身に届く”。 それが、身体というシステムの面白さであり、難しさでもあります。


美しくズレてたのは——わたし?

誰かの身体を支えながら、 自分の身体は、見えない負担に歪んでいた。 左足首の、ほんの数度の傾きが、 気づけば、全身の不調を呼び込んでいた。 それでもずっと、「私は大丈夫」と思っていた。 その思い込みこそが、ズレの始まりだったのかもしれません。

※この物語は、実際の治療をもとに構成された物語調の症例紹介です。

著者について

珈琲卿
珈琲卿(コーヒーきょう

日々、患者さんたちの心身に宿る “ズレの物語” を読み解きながら、 それぞれの身体が歩んできた人生の跡を、静かに、けれど少しだけ面白く綴っています。

本業は、横浜・保土ケ谷でカイロプラクティック整体院「ローカパーラ」を営むカイロプラクター。
プロフィールや理念などは、こちらをご覧ください。

※ちなみに「珈琲卿」は、私がコーヒーを愛しすぎた故のペンネームです。
書いているうちにテンションが上がり、少々“珈琲狂(?)”になることもありますが、 どうぞ安心してお読みください。施術は、至って真面目に行っております。