千身一夜物語
- 美しくズレてる症例集 - 
あなたの美談の裏に揉み消された(笑)、身体の物語。
※この症例は、実際の臨床経験に基づき、個人情報の保護と読みやすさのために一部構成や表現を調整しています。
casereport.6135:左腰の痛み 女性 41代 看護師 東京都在住

“からだを後回しにしてきた人”の腰が語ったこと。

40代 女性 看護師 東京都在住
ひとの手を握ってきた手が、 自分の冷えには、ずっと気づいていなかった。 ひとの痛みに敏感な人ほど、 自分の痛みには、無自覚になっていく。 この物語は、看護師として生きてきた、 ある女性のからだの声から始まります。

「左腰が重い」「骨盤が冷える」「手足の冷えがとれない」「産後 腰痛 冷え」「看護師 腰がつらい」などのキーワードで検索しているあなたへ。 “その冷え、構造から見直す”という視点、そろそろ持ってみませんか?


私、なにかしましたっけ?

仕事柄、いろんな患者さんのケアをしてきました。 腰をさすったり、手足を温めたり、 「冷えは万病のもとですよ」って、いつも伝えています。 セルフケアの大切さも、ちゃんと話します。 「ちゃんと温めてくださいね」「体を冷やさないようにね」って、 こっちが念押しするくらいに。 自分でも、ちゃんとわかってるつもりでした。

でも、不調なんです…

でも、最近——左の腰がじんわりと重いんです。 背中はずっと凝ってるし、骨盤のあたりが冷たい感じがして。 手足も、ずっと冷たいまま。 「立ち仕事だし、疲れが出てるのかな」くらいに思っていたけれど、 湯船に浸かっても芯が温まらないような、 妙な冷えが残るようになってきて。 正直、自分の体にこんなに鈍感だったんだって、 ちょっとだけ驚いています。


身体が語っていた、もう一つの物語

彼女の腰の重さは、 過去の産後に生じた骨盤のゆるみから始まっていました。 骨盤がうまく締まらず、腰の筋肉がアンバランスに働き続けた結果、 左腰にだけ持続的な緊張と痛みが蓄積されていたのです。 さらに手足の冷えと下腹部の冷感は、 腋の下と鼠径部(股関節前)の筋肉が縮こまり、 血流をせき止めていたことによる“構造的冷え”。 つまりこれは、血流の問題ではなく——姿勢と動きの問題だったのです。

美しく、スマートに読み解く。

骨盤まわりの安定性を回復させるため、 インナーマッスルの柔軟性を重視したストレッチを処方。 「冷え」と「腰痛」を別々に考えず、 “循環が滞る動きのクセ”をほどくことを軸に整えていきました。 1回の施術だけでも、腰の重さは軽減。 「冷えって、構造なんですね」 彼女がそう言ったとき、ようやく看護師の目ではなく、 “自分の患者としての視点”が開かれていたのかもしれません。

もっと詳しく(検査・施術の詳細)

患者情報:
40代 女性 看護師 東京都在住

来院理由:
妹の紹介できました。今の自分の症状にどんなセルフケアがあっているのかが知りたいです。

主訴:
左腰の痛み

症状:
背中のコリ、腰の重さ、骨盤部の冷え、手足の冷え

通院期間/回数:
1回

原因:
・左腰の痛み →産後の骨盤のゆるみ ・手足・下腹部の冷え →腋下周辺筋の短縮、鼠径部周辺筋の短縮による血流低下

予防・セルフケア:
腰痛と手足の冷え →2つに共通しているのはインナーマッスルの硬縮なので、この部分を主にしたストレッチ方法をお伝えしました。

バキッと鳴るのは、あなたの思い込み。

「冷えは体質」「腰は年齢のせい」 そんな決めつけが、治せる不調を長引かせてしまう。 構造を知れば、血流の道も見えてくる。 からだは、冷えることに文句を言わない。 でも、冷え続ければ——静かにサインを出し続けている。


美しくズレてたのは——わたし?

他人の冷えにはすぐ気づけるのに、 自分の冷えには理由をつけて後回し。 「忙しいから」「動いてるから大丈夫」 その言葉に隠されていたのは、 からだの“サイン”に耳を塞いでいたわたし自身。 ズレていたのは、骨盤だけじゃなく、 わたしの優先順位だったのかもしれません。

※この物語は、実際の治療をもとに構成された物語調の症例紹介です。

著者について

珈琲卿
珈琲卿(コーヒーきょう

日々、患者さんたちの心身に宿る “ズレの物語” を読み解きながら、 それぞれの身体が歩んできた人生の跡を、静かに、けれど少しだけ面白く綴っています。

本業は、横浜・保土ケ谷でカイロプラクティック整体院「ローカパーラ」を営むカイロプラクター。
プロフィールや理念などは、こちらをご覧ください。

※ちなみに「珈琲卿」は、私がコーヒーを愛しすぎた故のペンネームです。
書いているうちにテンションが上がり、少々“珈琲狂(?)”になることもありますが、 どうぞ安心してお読みください。施術は、至って真面目に行っております。