症例概要
横浜市在住の60代女性、主婦の症例です。 左大腿外側にピリピリとしたしびれがあり、 左脚に力が入りにくい状態で来院しました。
長時間歩くことがつらく、駅の階段は手すりにつかまらなければ上れず、 歩くことはできても走ることはできない状態でした。
第一子の出産後に左脚のしびれが現れ、 いったん落ち着いた後も、30代と50代に症状を繰り返していました。 医療機関では脊柱管狭窄症と診断されていました。
患者情報
- 年齢・性別
- 60代女性
- 職業
- 主婦
- 主訴
- 左脚のしびれ、左脚に力が入りにくい
- 医療機関での説明
- 脊柱管狭窄症
来院時の症状
- 左大腿外側にピリピリとしたしびれがある
- 左脚に力が入りにくい
- 長時間歩くことがつらい
- 駅の階段は手すりにつかまらなければ上ることができない
- 歩くことはできるが、走ることはできない
- 朝起きたときに、左足の小趾が数分間しびれる
来院までの経過
20代で第一子を出産した後、左脚にしびれが現れました。 当時は左脚を引きずる状態で、トイレへ行くことにも苦労していました。
その後、症状はいったん落ち着きましたが、 30代になって左脚の症状が再発しました。 医療機関を受診したところ、脊柱管狭窄症と診断されました。
整体や鍼灸などの施術を受け、 しばらくは症状が落ち着いていました。 しかし、50代に入ってから再び症状が現れ、 左脚のしびれが続いていました。
検査・身体所見
姿勢の所見
- 頭部が前方へ移動している
- 腰部は反り腰の状態
- 背中は左凸、腰部は右凸のS字状のカーブがみられる
- 左側の骨盤が後方へ傾いている
しびれの範囲
主にしびれを感じていたのは左大腿外側であり、 左大腿後面にはしびれ感がありませんでした。
腰椎への押圧
腰椎を押圧しても、 左脚のしびれが強くなる反応は確認されませんでした。
左大腿外側への押圧
左外側広筋を押圧すると、 患者が訴えていた症状に似た、 ピリピリとしたしびれ様の痛みが生じました。
左外側広筋を軽く緩和すると、 ピリピリとした感覚を感じなくなり、 左脚の筋力にも若干の変化が確認されました。
症状についての考察
医療機関では脊柱管狭窄症と診断されていましたが、 画像上の脊柱管の狭窄と、 患者が自覚しているすべてのしびれが、 必ずしも同じ要因によって生じているとは限りません。
今回は、左大腿後面にしびれがなく、 腰椎を押圧しても左脚のしびれが強くならなかった一方で、 左外側広筋への押圧によって、 患者の訴えに似た症状が再現されました。
また、左外側広筋を軽く緩和すると、 ピリピリとした感覚と筋力に変化がみられました。 これらの所見から、 左大腿外側の症状には左外側広筋の過緊張が関係し、 それに伴って左脚に力が入りにくくなっていた可能性を考えました。
左外側広筋が過緊張となった背景として、 左側の骨盤が後方へ傾くことで大腿四頭筋が引き伸ばされ、 筋肉に継続的な負担が加わっていた可能性を考えました。
一方、朝に現れる左足小趾のしびれについては、 脊柱管狭窄症の影響が関与している可能性があると判断しました。
施術方針
左側の骨盤後傾と左大腿部の筋緊張を整え、 左大腿外側のしびれと左脚の力の入りにくさを軽減することを目的として、 骨盤と腰椎、左脚の筋肉に施術を行う方針としました。
反り腰の姿勢がみられ、 医療機関で脊柱管狭窄症と診断されていたため、 腰椎への施術では狭窄部への負担が増えないよう配慮しました。
施術内容
施術全体では、 全身の骨格調整と筋肉の緩和を行いました。
1回目の施術
- 腰椎への施術
- 骨盤への施術
2回目の施術
- 左脚を中心とした筋肉への施術
- 左脚の筋膜リリース
施術後の変化
1回目の施術後
施術後は、 左大腿外側のピリピリとしたしびれを感じなくなり、 左脚の筋力にも回復がみられました。
2回目の施術後
2回目の来院時には左大腿部の重だるさが残っていましたが、 左脚の筋膜リリース後は、 重だるさをほとんど感じない状態となりました。
通院経過
初回施術から1週間後に来院した時点では、 駅の階段を手すりを使わずに上れるようになっていました。
また、それまでできなかった大股での走行も可能になったとのことでした。 一方で、左大腿部には重だるさが残っていたため、 2回目は左脚の筋肉を中心に施術しました。
- 症状が落ち着くまでの施術回数
- 週1回の間隔で2回
- 症例掲載時点の通院状況
- 2週間隔で経過観察中
症例のまとめ
横浜市在住の60代女性にみられた、 左大腿外側のしびれと左脚の力の入りにくさの症例です。
医療機関では脊柱管狭窄症と診断されていましたが、 左大腿外側の症状は腰椎への押圧では強くならず、 左外側広筋への押圧によって、 訴えに似たピリピリとした感覚が再現されました。
左側の骨盤後傾と左外側広筋の過緊張が症状に関係した可能性を考え、 腰椎・骨盤への施術と左脚の筋膜リリースを行いました。
2回の施術後には左大腿外側のしびれと重だるさに変化がみられ、 手すりを使用せずに駅の階段を上り、 大股で走ることができるようになりました。
