症例集

case015:2ヶ月前からの腰痛 横浜市在住 16歳 高校生

症例概要

横浜市在住の16歳高校生で、ボート部に所属していました。 来院の約2か月前から、部活動の練習中に腰痛を感じるようになりました。

ボートを漕ぐ動作や腰を反らす動作、走る動作で腰が痛み、 授業中に椅子へ座っているときにも痛みが生じていました。 前かがみになると、腰は楽に感じていました。

整形外科では椎間板ヘルニアと説明され、 痛み止めの処方と約2か月間の牽引を受けましたが、 痛みが和らがなかったため、紹介を受けて来院しました。

患者情報

年齢
16歳
職業
高校生
所属・活動
ボート部
主訴
約2か月前から続く腰痛
受診歴
整形外科での診察、痛み止めの処方、約2か月間の牽引

来院時の症状

  • ボートを漕ぐ動作をすると、腰に強い痛みが生じる
  • 腰を反らすと痛みが生じる
  • 前かがみになると腰が楽に感じる
  • 歩くことはできるが、走り始めると腰が痛む
  • 授業中に椅子へ座っているときにも腰が痛む

来院までの経過

中学生のときはサッカー部に所属していましたが、 当時は腰痛を経験していませんでした。

高校進学後にボート部へ入り、 部活動の練習中に腰が痛むようになりました。 来院時には、発症から約2か月が経過していました。

整形外科を受診したところ、 椎間板ヘルニアと説明され、痛み止めを処方されました。 しかし、痛み止めを使用しても症状に変化はみられませんでした。

その後、約2か月間にわたって牽引を受けましたが、 腰痛は和らぎませんでした。 父親が知人へ相談した際に当院を紹介され、来院しました。

本人は、部活動の練習が腰痛に関係していることを自覚していましたが、 ボート部を辞めることは望んでおらず、 部員と一緒に大会へ出場することを希望していました。

検査・身体所見

姿勢の所見

  • 立位では、腰部の反りが強い姿勢がみられた
  • 骨盤が前方へ傾いた状態がみられた
  • 座位では、背中を丸めた猫背姿勢になっていた

筋肉の状態

  • 腸腰筋の短縮が確認された
  • 大腿四頭筋の短縮が確認された

腹筋運動時の身体の使い方

本人は腹筋のトレーニングを1日約300回行っており、 腹筋には自信を持っていました。

しかし、検査では腹部の筋力を十分に発揮できておらず、 腹筋運動を行う際に腰部の筋肉の働きが優位になっていました。 腹筋を鍛える目的で行っていた運動が、 実際には腰部へ大きな負担を加える動作になっていると判断しました。

症状についての考察

来院時の腰痛を、 いわゆる「ぎっくり腰」に相当する状態として捉えていました。

立位では骨盤が前方へ傾き、腰部の反りが強くなっていました。 また、大腿四頭筋と腸腰筋の短縮も確認されました。

当時は、腰を反らした際に短縮した腸腰筋へ伸張負荷が加わり、 その負担が腰部に感じる痛みに関係した可能性を考えました。

また、腹筋運動を行う際に腹部の筋肉を十分に使えず、 腰部の筋肉で動作を代償していました。 1日約300回という反復運動によって腰部への負担が重なり、 筋力バランスの崩れと腰痛に関係した可能性があると考えました。

以上の所見から、症状のある腰部だけへ対応するのではなく、 骨盤の位置、腸腰筋の状態、体幹トレーニング時の身体の使い方を あわせて見直す必要があると判断しました。

施術方針

施術方針は、次の2段階に分けました。

  1. 骨盤と筋肉への施術を行い、 腰を反らす動作などで生じる痛みの軽減を図る
  2. 腰部の筋肉に負担を集中させない体幹トレーニングと、 身体の使い方を再学習してもらう

施術内容

  • 骨盤の前傾に対する施術
  • 腸腰筋の緊張を緩和するための施術
  • 体幹トレーニングを中心とした身体の動かし方の再学習
  • 股関節を使って脚を伸展する動作の練習

施術後の変化

骨盤の前傾に対する施術と腸腰筋への施術を行った後、 腸腰筋の過剰な収縮がみられなくなり、 腰を反らす動作が可能になりました。

症状軽減を目的とした施術を2回行った時点で、 腰痛はほぼ感じない状態になったと記録されています。

通院経過

症状軽減を目的とした期間
週1回の頻度で2回
身体の使い方を再学習する期間
3週に1回の頻度で、 体幹トレーニングを中心とした運動の再学習を5回実施
部活動への復帰
約3か月後にボート部へ復帰
施術終了時
股関節を使って脚を伸展する動作ができるようになってきたため、 施術を終了
その後の経過
本人から、腰の状態は良好との報告があった

再発予防のために伝えたこと

筋力トレーニングでは、 回数を増やすことだけでなく、 目的とする筋肉を実際に使えているかを確認する必要があります。

この症例では、腹筋を鍛える目的で行っていた運動が、 腰部の筋肉を繰り返し使う動作になっていました。 そのため、腰部へ負担を集中させない体幹トレーニングを再学習してもらいました。

また、本人の身体の状態に合ったトレーニングを行い、 股関節を使って脚を伸ばす動作を身につけることを伝えました。

症例のまとめ

横浜市在住の16歳高校生・ボート部にみられた、 約2か月続く腰痛の症例です。

ボートを漕ぐ動作、腰を反らす動作、走る動作、 授業中の座位で腰痛が生じていました。 検査では、立位での反り腰、骨盤の前傾、 腸腰筋と大腿四頭筋の短縮が確認されました。

また、腹筋運動を行う際に腹部の筋力を十分に発揮できず、 腰部の筋肉の働きが優位になっていました。

骨盤前傾への施術と腸腰筋への施術を行った後、 腰を反らす動作が可能になり、 2回の施術後には腰痛をほぼ感じない状態になりました。

その後は、体幹トレーニングと股関節を使った動作の再学習を行い、 約3か月後にボート部へ復帰しました。

著者・症例担当者

ローカパーラ・カイロプラクティック整体院 院長

Doctor of Chiropractic
Bachelor of Science in Chiropractic

症状のある部位だけでなく、 姿勢、動作、生活背景、症状が現れるまでの経過を含めて、 身体の状態を確認しています。